一番大きいのはいくつになるかね、もうよっぽどだろう ちょっと乙だな、あんな者の子でも恋をするところが、しかし大した恋じゃなかろう、大方鼻恋くらいなところだぜ 主人は鼠色の毛布を丸めて書斎へ投げ込む。 道理で大変東風を弁護すると思った。 にくらしいんだよへえそんなによく似合うものをなぜだまって貰ったんだいへえ御前にさえ、そのくらい似合うなら、妾しにだっておかしい事あないだろうじゃないかきっとよく御似合い遊ばします似あうのが分ってる癖になぜ黙っているんだい。 とにかく寒月の博士になるのは結構である。 驚くか、嬉しがるか、恥ずかしがるかと寒月君の様子を窺って見ると別段の事もない。 しかし癲癇病みの御かめのごとく眉の根に八字を刻んで、細い眼を釣るし上げらるるのは事実であります。 明日ね、行くんだからね、鶉の三を取っておいておくれ、いいかえ――分ったかい――なに分らない？　おやいやだ。 貰えばいいがって、君は先日大反対だったじゃないか。 はてな詩になるか、俳句になるか、香一とは、主人にしては少し洒落過ぎているがと思う間もなく、彼は香一を書き放しにして、新たに行を改めてさっきから天然居士の事をかこうと考えていると筆を走らせた。 君がそれを留める権利はないなるほど権利は正にない。 娘には恩も恨みもなくて、寒月は自分が実の弟よりも愛している門下生である。 四時間以上寝るのは贅沢の沙汰だって朝暗いうちから起きてくるんです。