アハハハハ随分気楽だな。 着物の咎じゃございませんと細君うまく責任を逃がれる。 もし土地を切り刻んで一坪いくらの所有権を売買するなら我等が呼吸する空気を一尺立方に割って切売をしても善い訳である。 あんな奴の娘を貰う馬鹿がどこの国にあるものか、寒月君決して貰っちゃいかんよって云うんです なんだと主人は水中で銅鑼を叩くような声を出す。 その歌に曰く、来いさ、としの夜で、御山婦美も来まいぞ。 金田か？　何んだあんな奴 いろいろ調べて見ましたが鼻の起源はどうも確と分りません。 それにどの会社でも重役なんで――多分御存知でしょうがこれでも恐れ入らぬかと云う顔付をする。 この作用で骨の左右が削り取られて細い高い隆起と変化して参ります――実に恐ろしい作用です。 まだいろいろ御話し致したい事もございますが、御迷惑であらっしゃいましょうから……あらっしゃいましょうより、いらっしゃいましょうの方が聞きいいよ、ねえ苦沙弥君とまた迷亭が咎め立をすると主人はどっちでも同じ事だと気のない返事をする。 ただ胡麻塩色の口髯が好い加減な所から乱雑に茂生しているので、あの上に孔が二つあるはずだと結論だけは苦もなく出来る。 お神さんに電話口へ出ろって御云いな――なに？　私しで何でも弁じます？――お前は失敬だよ。 ――それでこれから力学的に第一の場合は到底成立すべきものでないと云う事を証拠立てて御覧に入れます面白いなと迷亭が云うとうん面白いと主人も一致する。